山家集をよむ(14)2024年06月21日 12:11

(131) 心得つただ一筋に今よりは花を惜しまで風を厭はん

心得た、今からは花を惜しむのではなく、ただ一筋に風を厭うことにしよう

I learned. From now on, instead of regretting the flowers, I will be just disgusted by the wind.

 

(132) 吉野山桜にまがふ白雲の散りなん後は晴れずもあらなん

吉野山の桜のような白雲は、花が散った後も消えずにいてほしい

I hope the white clouds like cherry blossoms on Mt. Yoshino will not clear up even after the flowers have fallen.

 

(133) 花と見ばさすが情けをかけましを雲とて風の払ふなるべし

花だったら容赦ない風も情をかけるだろうが、雲だからきっと風に吹き飛ばされてしまうだろう。

If it were a flower, the merciless wind would be sympathetic to it, but since it was a cloud, it would probably be

blown away by the wind.

 

(134) 風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり

風にさそわれて散る花のゆくへは知らないけれど花を惜しむ心は身にとどまっています

I don't know where the flowers fall, stirred by the wind, but the feeling of regret for them remains in my heart.

 

(135) 花ざかり梢をさそふ風なくてのどかに散らん春にあはばや

風が花ざかりの梢をそよがせることもなく、花がのどかに散る穏やかな春を楽しみたいです

I want to enjoy a calm spring when the flowers fall peacefully without the wind stirring the flowering treetops.

 

(136) 風あらみ梢の花の流れきて庭に波立つ白川の里

梢に咲く花が強い風に乗って流れて来て庭に白波が立つように見える白川の里です

This is the village of Shirakawa, where the flowers blooming in the treetops are carried by strong winds and look like white waves in the garden.

 

(137) あだに散る梢の花をながむれば庭に消えぬ雪ぞつもれる

風に儚く散っていく樹上の花々を眺めていると、まるで溶けない雪が庭に積もっているように見えます

As I look at the flowers on the tree tops scattered fleetingly by the wind, it looks like snow that won't melt pile 

in the garden.

 

高野に籠りたりける頃、草の庵に花の散り積みければ

(138) 散る花の庵の上をふくならば風入るまじくめぐりかこはん

散る花が庵の屋根を葺くのなら、風に飛ばないように囲いをしましょう

If the falling flowers cover the roof of my hermitage, I will fence them off so they don't blow away in the wind.

庵(いほり)

 

(139) 春風の花を散らすと見る夢はさめても胸の騒ぐなりけり

春風が花を散らす夢を見ると、目が覚めても不安な気持ちになります

When I dream of the spring breeze scattering flowers, I feel uneasy even when I wake up.

 

(140) 山桜枝きる風の名残なく花をさながらわがものにする

山桜の枝を切るかのごとき風は、残さず花を散らし、さながら花は自分のものとするようです

The wind that like cuts the branches of wild cherry blossoms scatters all the flowers, as if to claim them as its own!



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大阪の高校を退職して、2011年東日本大震災の直後に山梨県小淵沢に移住しました。物理の教員歴33年の間に、地震の話や原子力の話はしたものの、防災教育をやってなかったことを痛感して、以後、防災教育に関する活動を継続しています。
これまでCCnetのブログ(「一鴨日記」)に投稿していましたが、編集機能の問題があって「アサブロ」に引っ越しました。2022年8月31日以前の投稿記事については、旧「一鴨日記」を御覧ください。

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