山家集をよむ(13)2024年06月10日 20:35

(121) 惜しめども思ひげもなくあだに散る花は心ぞ畏かりける

惜しむこころを思いやることもなくただ散る花の心こそ恐れ多いものです

I am afraid of the heart of a flower that just falls away without caring for my heart that is missed.

畏む(かしこむ):恐れ多いと思う

 

(122) 梢吹く風の心はいかがせんしたがふ花の恨めしきかな

梢を吹き抜ける風の心は知る由もないが、そんな風と一緒に散ってしまう花が恨めしい

There is no way to know the heart of the wind that blows through the treetops, but I resent the flowers that fall away with the wind.

 

(123) いかでかは散らであれとも思ふべきしばしと慕ふ歎き知れ花

花が永遠に咲き続けることを私は決して望んでいません。 花よ、あとしばらくは咲いてほしいという私の願いを知ってください。

I never wish that the blossoms would bloom forever.  Flowers, please know my desire that you bloom for a few 

more days.

 

(124) 木のもとの花に今宵は埋もれて飽かぬ梢を思ひ明かさん

今夜は木の根元の花に埋もれながら、飽きることなく梢のことを思います。

Tonight I'm buried in the flowers at the base of the tree, thinking of the treetops without getting tired.

 

(125) 木のもとに旅寝をすれば吉野山花の衾を着する春風

吉野山の木の下で眠ると、春風が花の寝具を着せてくれます。

When you sleep under the trees of Mt. Yoshino, the spring breeze will clothe you with flower bedding.

 

(126) 雪と見えて風に桜の乱るれば花の笠着る春の夜の月

桜の花が雪のように乱れ散ると、花びらで春の月が笠をかぶるようにみえます

When cherry blossoms scatter like snow, the petals look like the spring moon wearing a hat.

  

(127) 散る花を惜しむ心やとどまりてまた来ん春の種になるべき

散る花を惜しむ心は留まり、また来る春の種となるはずだ

The heart that regrets the falling flowers should stay and become the seeds of spring to come again.

 

(128) 春深み枝も揺るがで散る花は風の咎にはあらぬるべし

春が深まるにつれ、枝が揺れることなく花が散るのは風のせいではありません

As spring deepens, the flowers falling without sway of the branches is not due to the wind.

 

(129) あながちに庭をさへ掃く嵐かなさこそ心に花をまかせめ

庭にさえも勢いよく吹き込んで花を散らす嵐だから、心の中に花を置きましょう。

It's a storm that blows in even the garden and scatters flowers, so let's keep flowers in my hearts.

 

(130) あだに散るさこそ梢の花ならめ少しは残せ春の山風

実を結ぶこともなく散るのは梢の花のならいだけれど、少しは残せ春の山風よ

It's like the flowers on the treetops that scatter without bearing fruit, but please leave some behind, spring 

mountain wind.



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大阪の高校を退職して、2011年東日本大震災の直後に山梨県小淵沢に移住しました。物理の教員歴33年の間に、地震の話や原子力の話はしたものの、防災教育をやってなかったことを痛感して、以後、防災教育に関する活動を継続しています。
これまでCCnetのブログ(「一鴨日記」)に投稿していましたが、編集機能の問題があって「アサブロ」に引っ越しました。2022年8月31日以前の投稿記事については、旧「一鴨日記」を御覧ください。

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